韓国語の尊敬語について解説します。
韓国も日本と同じように敬語を多用します。
敬語の使い方は日本語と同じく、主語(文章で話題になっている人物)が目上の人の場合などに使われます。
「お~になる」、「~られる」などに訳される言葉ですね。
韓国語の尊敬語の作り方
韓国語の尊敬語の作り方には、一部例外的な作り方をされる単語がありますので、基本的な作り方と例外的な作り方でわけて考えます。
基本的な作り方
ポイント①
用言の語幹の後に「시」または「으시」を入れる。
ポイント②
語幹の終わりの文字が「母音語幹」または「ㄹ語幹」、「子音語幹」によって「시」を使うか「으시」を使うかわかれる。
語幹がよくわからない方はまずは↓こちらを確認してください。
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韓国語の語幹について解説
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ポイント③
「ㄹ語幹」の場合、「ㄹ」は脱落する。
例
「가다|カダ|行く」→「가시다|カシダ|行かれる」
「읽다|イッタ|読む」→「읽으시다|イルグシダ|読まれる」
「살다|サルダ|住む」→「사시다|サシダ|住まれる」
※「살다」は「ㄹ」が脱落し、「사시다」となっている。
ポイント④
ヘヨ体の場合は、次のように活用するので注意が必要。
「가시다」→「가시어요」→「가셔요」→「가세요」
「읽으시다」→「읽으시어요」→「읽으셔요」→「읽으세요」
「사시다」→「사시어요」→「사셔요」→「사세요」
※通常、一番右の言葉を使います。
特殊な尊敬語
単語の中には上記の基本的な作り方とは関係なく、特殊な形になるものがあります。
これらは数が多くないので全て覚えましょう。
また、用言のみならず、名詞や助詞も特殊な尊敬語があります。
用言
「먹다|モッタ|食べる」→「드시다|トゥシダ|召し上がる」または「잡수시다|チャプスシダ|召し上がる」
「마시다|マシダ|飲む」→「드시다|トゥシダ|召し上がる」
「있다|イッタ|いる」→「계시다|ケシダ|いらっしゃる」
「자다|チャダ|寝る」→「주무시다|チュムシダ|お休みになる」
「죽다|チュッタ|死ぬ」→「돌아가시다|トラガシダ|お亡くなりになる」
「아프다|アプダ|痛い」→「편찮으시다|ピョンチャヌシダ|お加減が悪い」
名詞
「말|マル|言葉」→「말씀|マルスム|お言葉」
「나이|ナイ|年齢」→「연세|ヨンセ|お年」
「이름|イルム|名前」→「성힘|ソンハム|お名前」
「밥|パプ|ご飯」→「진지|ジンジ|お食事」
「집|チプ|家」→「댁|テク|お宅、ご自宅」
「아버지|アボジ|父」→「부친|プチン|お父様、父上」
「어머니|オモニ|母」→「모친|モチン|お母様、母上」
「병|ビョン|病気」→「병환|ビョンファン|ご病気」
「생일|センイル|誕生日」→「생신|センシン|お誕生日」
「아버지」を「아버님」、「어머니」を「어머님」ともいうが、自分の親に対して使うのは親が亡くなっているときだけ。他人の親に対して使っても問題ない。
助詞
「-는/은|~は」→「께서는|ケソヌン」
「-도|~も」→「께서도|ケソド」
「-가/이|~が」→「께서|ケソ」
「-에게(한테)|~に」→「께|ケ」
助詞が敬語になるは韓国語特有で日本語にはありません。なので、日本語訳はかわりません。
丁寧な命令形
「~しろ」などの命令形を丁寧な表現で「~してください」などになる場合、「-(으)십시오|(ウ)シプシオ」または「-(으)세요|(ウ)セヨ」を使います。
「~しないでください」という場合は「-지 마십시오|ジマシプシオ」または「-지 마세요|ジマセヨ」を使います。
《例》
「行ってください」→「가십시오|カシプシオ」または「가세요|カセヨ」
「行かないでください」→「가지 마십시오|カジマシプシオ」または「가지 마세요|カジマセヨ」
「-(으)십시오|(ウ)シプシオ」、「-지 마십시오|ジマシプシオ」は「ハムニダ体」と同様に丁寧語。
「-(으)세요|(ウ)セヨ」、「-지 마세요|ジマセヨ」は「ヘヨ体」と同様に親しみを込めた丁寧語です。
最後に
以上、韓国語の尊敬語ですが、理解できましたでしょうか?
初見で見られた方は難しく感じたかもしれません。
尊敬語はこのルールというように決まったものなので、上で例にあげた単語以外も尊敬語に直してみたり繰り返し練習することで理解できます。
また特殊な尊敬語は、暗記するしかないので、これも繰り返し練習しましょう。
まとめ
・尊敬語にするには、用言の語幹の後に「시」または「으시」を入れる。
・語幹の終わりの文字が「母音語幹」または「ㄹ語幹」、「子音語幹」によって「시」を使うか「으시」を使うかわかれる。
・「ㄹ語幹」の場合、「ㄹ」は脱落する。
・ヘヨ体の場合は、次のように活用するので注意が必要。
「가시다」→「가시어요」→「가셔요」→「가세요」
※通常、一番右の言葉を使う。
・特殊な尊敬語はただただ覚える。